陰日向に咲く

たくさんの情報の花が咲く

東京は情報の集積地

媒介する人達が

右へ左へ

西へ東へ

飛び回って

いろんな情報を拡散している

 

色とりどりの色味や香り

 

はっきりとした色は

とても目立つし、人気がある

 

キラキラした魅惑の香りは

たくさんの者を惹きつける

 

玉虫色は日本伝統ともいうべき

はっきりしないのだが

すべてを包み込み

すべての侘び寂びを表現する

 

行間を読める

何気ない小さな変化に気づき

ちょっとした気配りができる

おもてなしのココロ

 

茶の濃さや温度にも

差し上げる側の深い愛情が感じられ

受け取る側がそれに答える

 

言葉にならない

瞬間瞬間に交わされる

エネルギーの交換によって

時に大きな決断がされる場となる

 

戦国時代の武将たちも

茶に溶け込む心理をつぶさに感じとり

物事の決断の大きなファクターとしていたのだろう

 

そう考えると

木々が色づく紅葉を眺めながら

茶の湯の世界を体感してみたい

 

敏感な侘び寂びの世界から

現代は大きく変容した

 

西洋文化が世界中を席巻し

ブランドが街中に溢れる

ブランド崇拝主義が広がり

多くの者の憧れとなる

 

かの秀吉も

大阪城聚楽園にて盛大に催しを開催し

全国の武将達による

家宝の披露大会が繰り広げられる

 

多くの者が憧れを持つ物は

価値が上がり、持つ者の権威が高まる

 

権威のある者は存在そのものがブランド化し

価値が高騰していく

価値が高い者が中心となって

市場が広がり、たくさんの人が集まる

政事が行われる

 

多くの無事は豪華絢爛の色とりどりの家宝達が次々と披露されていく

狂喜乱舞

派手な蝶が乱れ舞い

 

ところが

かの徳川家康

何も持っていかなかった

その答えはラストにて

 

物体的な性質は

ほとんど変わっていないのに

表面上の価値が変動していく

たくさんの情報が乱れ飛び

伝言する度に尾びれ背びれがつき

不純物だらけになり

偽物がたくさん出回るようになる

 

物体的な性質が

まったく違うのに

価値だけが高まり続けていく

 

やがて

不純物で重くなってしまった情報は淀み

汚く沈殿し

これまでの

煌びやかな蝶が飛び交う光景から

 

蠅や蛾が飛び交う

おぞましい光景に変容していく

 

盛者必衰のごとく

栄えていたモノがバランスを崩し

崩れていくと

あっという間にさびれていく

 

だが

本物とよばれる

性質の変わらないもの

決して目立たないのに

陰日向に咲き続ける花には

清々しい空気が流れ

良質な蜜がゆっくりと育まれている

 

希少があるものは

純度を増すために

外界からゴミが飛んでこないように

大切に守られている

 

小屋の端に

目立たぬように

 

純度の高い香りは

物質的な空間では伝わらないように

浸透圧を下げている

波動としては伝わらない

 

真空の空間

真なる無の世界に発信される

振動に乗せて伝わる

かすかに匂う香りには

とてつもないポテンシャルが埋蔵されている

その大きなエネルギーが

長きに渡って繁栄をもたらす礎となる

 

場は戻り

秀吉主催の茶会

 

物質的な品を持っていかなかった徳川家康

そして

披露したものは

我が家を支える優秀な家臣たち

 

その光景に

多くの武将はドン引き、嘲笑ったという

 

豪華絢爛の秀吉

質素倹約た家康

 

どちらに天が味方したのかは

ご案内のとおり

 

時は流れて令和の世

西洋文化に支配され

バブル時代の夢から目が覚めていない

 

インターネット時代は

情報がヒカリの如く拡散する

 

バタフライエフェクト

地球の端の蝶のさえずりが

あっという間に全体を変える

 

本物は実は地味で目立たない

チューニングして高い波長を持たないと

探し当てることは出来ない

 

多くは風の流れに乗って伝わる

風下にいないと感じられない

 

本当に大切なものは目には見えない

小さな小さな小さな

振動によって伝わる香りを

嗅ぎ分ける修行の旅

 

陰日向に咲く花を見つけよう