春夏冬
あれだけ騒がしかったムシ達の合唱が
鳴りを潜めて
雨が降るごとに季節が進むスピードを増す
歌舞伎座の幕が閉まるとともに
ものすごい勢いでステージチェンジが行われる
そして
幕が開くと違う風景が広がる
四季折々に展開するステージが展開される
季節が次々と変わっていく
松尾芭蕉は旅に出てから
さまざまな季節とともに
変わりゆく人々の様子も観察し
長きに渡って残る俳句をしたためる
5 7 5に埋め込まれた暗号を解き明かすため
同じ風景を見てみたい
GPS上で同じアドレスに達したとき
ポケモンのように当日の町人達が飛び出して
我々に語りかける
あなたは目の前の風景を味わっていますか
あなたは目の前の人と向き合ってますか
あなたは
その手に持っている四角い薄く光る装置に
支配されていませんか
旅に行ったらその風に当たり
匂いを感じて、脳のシワに刻み込むストーリー
それが文字魂となって
未来へのメッセージとして残り続ける
それをするには
効率化とか収益化とかに捉われていてはいけない
四季折々
春・夏・秋・冬
急いではいけない
食欲の秋、文学の秋を飛ばしてはいけない
飽きの来ない人生を歩むために
自分にしか見えない秋を味わってみたい