生きている軌跡
ひとはハイハイを始めてから
どれくらいの距離を移動したのだろう
できることがだんだん増えていく
活動範囲がだんだん広がっていく
知っていることが増えて
より遠くの場所に行って知見を広げる
日本全国を測量して歩いた伊能忠敬
意外なことに
測量を始めたのは50歳
今で言うと
定年退職した後のセカンドキャリア
人は歳をとると
考え方の柔軟性を失い
チャレンジすることよりも
デフェンスに入ってしまう
キャリアを積み重ねていくと
人から教わることをしなくなる
ところが、伊能忠敬
19歳下の師匠に弟子入りをして
天文学や測量の技術を教わる
好奇心に突き動かされる
とはいえ
なかなかできることではない
趣味で始めた測量の旅
関東だけの予定だった
隠居の老人にしては
本格的すぎた
あまりにも精密で
それに目をつけたお役人
関西にも足を延ばすように
お願いしたようだ
関西は予想以上にデカかった
四国は予想以上にデカかった
四国は1300年前から
人々がお遍路の旅で回っているが
途中で脱落するお遍路ころがしに
多くの者が阻まれる
焼山寺に向かう深い山道の入り口
境界が作られているかのごとく
看板が立っている
この先に向かうための覚悟
それを問う
そこまで命がけで進んだ者達が
歩き続けた道にエネルギーが宿る
先人たちが覚悟を持っていく道中を
引退して隠居に入った伊能忠敬が
測量しながら進んでいく
弘法大師の生まれ変わりなのか
驚異的な体力とバイタリティ
人はみな
生きた証を残したい
今日もまた
バースデーパーティーが行われている
現代社会では
インターネットのクラウド上に
簡単に軌跡を残すことができる
デジタルが無かった時代
解き明かされた軌跡を
大昔の隠居の仙人は
趣味でやってのけた
歳を重ねていても
好奇心を持って
謙虚な気持ちを持っていけば
とてつもないエネルギーか沸き
奇跡が起こる
それが軌跡を残している
八百万の神が宿る国
たくさんの応援を受けられる土地にいる
我々は自信を持ち
好奇心を持ち
だけど
謙虚な気持ちで日々を過ごしたい